- with readers working within the Basic Industries industries
広州知識産権法院(知財裁判所)は10月23日、知的財産権保護に関する典型事例を公表した。その中で、5Gの中核技術をめぐる特許侵害訴訟が注目を集めている。同法院は証拠開示制度を適用し、原告の京信ネットワークシステム有限公司(以下、京信公司)が請求した損害賠償金4,000万元(1元は約21.6円)を全額認めた。
訴訟の対象となったのは、京信公司および関連会社が保有する「キャビティ型マイクロ波デバイス」に関する特許である。この技術は装置の小型化と構造の簡素化を実現し、大量生産に適している点が特徴とされる。京信公司は、広東輝速通信技術有限公司(以下、輝速公司)が製造・販売する電動調整アンテナ製品が特許を侵害しているとして、侵害行為の差止めと4,000万元の損害賠償を求めて提訴した。
審理では、被告製品の技術内容が特許請求の範囲に含まれる点について争いはなかったものの、輝速公司は「既存技術に基づくものであり、侵害には当たらない」と主張した。しかし法院は、被告側の提出した証拠では技術内容を十分に立証できないと判断し、この主張を退けた。その結果、輝速公司の行為が特許権侵害に当たると認定された。
損害額の算定にあたっては、京信公司が被告の侵害による利益額を具体的に立証していたことが認められた。一方、輝速公司は法院の命令にもかかわらず財務帳簿を提出しなかったため、法院はこれを「証拠妨害」と認定。原告の請求を全面的に支持し、侵害行為の停止および4,000万元の賠償を命じた。輝速公司は控訴したが、最高人民法院(二審)は原判決を維持した。
本件は、5G分野における高価値特許の司法保護を示す代表的事例である。法院が証拠開示制度を適切に運用し、立証の困難や低額賠償といった課題を効果的に克服した点で、今後の特許侵害訴訟実務においても重要な意義を持つ。
出所:中国知識産権資訊網
The content of this article is intended to provide a general guide to the subject matter. Specialist advice should be sought about your specific circumstances.