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25 June 2026

よくある質問:インド保険法の基礎とIRDAI 規制体制

A
Acuity Law

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インド保険市場の構造、関係者、そして法的枠組みに関する入門ガイド
India Insurance
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インド保険市場の構造、関係者、そして法的枠組みに関する入門ガイド

A. 規制の枠組み

Q1. インドの保険業界を規律する主要な法律は何ですか?

インドの保険業界は、主に3つの法律によって規律されています。

  1. 1938年保険法(Insurance Act, 1938, “Insurance Act”)—インドにおける保険事業の運営を規定する基本法
  2. 1999年保険規制開発庁法(Insurance Regulatory and Development Authority Act, 1999, “IRDA Act”)、保険業界の規制当局を設立する法律
  3. 1956年生命保険公社法(LIC Act, 1956, “LIC Act”)、国営の生命保険公社を規定する法律
  4. これら3つの法律はすべて、2025年サブカ・ビマ・サブキ・ラクシャ(保険法改正)法[Sabka Bima Sabki Raksha (Amendment of Insurance Laws) Act, 2025, “2025 Act”]によって大幅に改正されました。

これら3つの法律はすべて、2025年サブカ・ビマ・サブキ・ラクシャ(保険法改正)法[Sabka Bima Sabki Raksha  (Amendment of Insurance Laws) Act, 2025, “2025 Act”]によって大幅に改正されました。

Q2. インドの保険規制当局はどこで、どのような権限を持っていますか?

インド保険規制開発庁(Insurance Regulatory and Development Authority of India,“IRDAI”)は、インドの保険業界における法定規制当局です。IRDAIは1999年IRDA法(IRDA Act, 1999)に基づき設立され、その権限には以下の内容が含まれます。

  1. 保険契約者の利益の保護
  2. 保険業界の迅速かつ秩序ある成長の促進
  3. 保険会社の財務健全性および健全な運営の確保

IRDAIは、保険に関するあらゆる側面を対象として規則、方針、通達、命令を発出しています。具体的には、保険会社や仲介業者の登録、保険商品の承認、投資基準の設定、保険金請求の管理などが含まれます。

Q3. 2025年サブカ・ビマ・サブキ・ラクシャ(保険法改正)法[Sabka Bima Sabki Raksha  (Amendment of Insurance Laws) Act, 2025, “2025 Act”]によって導入された主な変更点は何ですか?

2025年法(2025 Act) は、いくつかの画期的な改革を導入しました。

  1. 民間保険会社における外国直接投資(FDI)の上限が、自動承認方式のもとで従来の74%から100%に引き上げられた
  2. 外国再保険支店(Foreign Reinsurance Branches, “FRBs”)に対する純自己資金(net-owned fund)要件が、従来の5,000クロール・ルピー(約5億2,760万米ドル)*から1,000クロール・ルピー(約1億550万米ドル)*に引き下げられた
  3. 保険仲介業者は年会費を支払うことで、永続的に登録できるようになった
  4. 「保険仲介業者」の定義が拡張され、管理代理店(Managing General Agent, “MGA”)および保険リポジトリも含まれるようになった

B. 保険事業の種類

Q4. インドで営むことができる保険事業の主要区分にはどのようなものがありますか?

保険法(Insurance Act)に基づき、インドの保険事業は大きく4つの主要な区分に分類されます。

  1. 生命保険事業(Life Insurance Business, “LIB”)
  2. 損害保険事業(General Insurance Business, “GIB”)
  3. 健康保険事業(Health Insurance Business, “HIB”)
  4. 再保険事業(Reinsurance Business, “RB”)

各区分で登録する企業は、保険規制開発庁(IRDAI)から個別の登録証明書を取得する必要があります。登録なしに保険事業を行った場合は刑事罰の対象となり、最大で25クロール・ルピー(約263万7,000米ドル)*の罰金および最長10年の禁固刑が科される可能性があります。

Q5. LIBとは何か、一般的にどのような商品を取り扱っていますか?

LIBとは、被保険者の死亡時(事故死を除く)または人の生命に依存する偶発事象が発生した場合に、保険会社があらかじめ定めた一定金額を支払う契約を指します。保険法のもとでは、LIBには以下のものが含まれるとみなされます。

  1. (保険契約で定められている場合)障害給付金の支払い
  2. 人命に基づく年金の支給
  3. 退職給付手当の支給

また、ユニットリンク型保険(Unit Linked Insurance Policy, “ULIPs”)や同様の金融商品も含まれます。2025年4月時点で、国営のLICを含む26社の生命保険会社がインドで事業を行っています。

Q6. とは何か、またどのようなリスク区分をカバーするものですか?

GIBには、火災保険、海上保険、その他各種保険業務が含まれます。これらの保険は単独で提供することも、複数を組み合わせて提供することも可能です。2025年3月31日現在、インドには25社の一般保険会社が営業しており(単独の医療保険会社は除く)、そのうち4社は公的部門の企業です。

Q7. とは何であり、GIBとはどのように異なりますか?

健康保険会社とは、個人および団体向け健康保険、傷害保険、旅行保険など、健康関連保険のみを引き受けるライセンスを有する会社を指します。損害保険事業(GIB)が幅広い損害リスクをカバーするのに対し、健康保険事業(HIB)の引受業務は健康関連分野に限定されています。2025年4月現在、インドでは6社の単独型健康保険会社が事業を行っています。

Q8. 再保険とは何か、インドでRBを営むことが許可されているのはどの事業者ですか?

再保険とは、保険会社が引き受けたリスクの一部を相互に合意された保険料で他の保険会社(再保険会社)に移転する仕組みです。2025年3月現在、インドでは2社の再保険事業者が事業を行っています。

  1. General Insurance Corporation of India (GIC Re)—国営の国家再保険会社
  2. Valueattics Reinsurance Limited

インドで再保険サービスを提供する海外再保険会社のFRBは、IRDAIへの登録が求められます。インドの保険会社は再保険を引き受ける際、IRDAIが定める優先順位に従い、海外に業務を振り分ける前に、まずインドの再保険会社を優先する必要があります。

Q9. (いわゆる複合保険会社として)単一の保険会社が、LIBGIBの両方を営むことは可能でしょうか?

保険法(Insurance Act)は、LIBとGIBを別個の法人で運営することを求めています。2025年法 {2025年サブカ・ビマ・サブキ・ラクシャ(保険法改正)法, 2025 Act]では、複合ライセンス制度の導入が提案されていましたが、最終的に制定された法文にはこの規定は含まれていません。ただし、2025年法では「保険事業の区分(class of insurance business)」の定義が改正され、中央政府が通知するその他の保険事業区分も含めることができるとされています。したがって、中央政府には新たな保険事業区分を追加する権限があります。

C. 保険事業の設立 — 登録および資本要件

Q10. 保険事業を営むにあたり、IRDAIから登録証明書を取得する手続きはどのようなものですか?

手続きには複数の段階があります。

  1. 2013年会社法(Companies Act, 2013)に基づき会社を設立する
  2. IRDAIから「No Objection Certificate(異議なし証明書)」を取得する
  3. 登録申請書フォームIRDAI/R1と、所定の添付書類(設立証明書、定款、事業計画書、創業者情報など)を提出する
  4. 登録申請書フォームIRDAI/R2と、資本に関する宣誓書、株主構成、外国投資の詳細などを含む所定の書類を提出する
  5. IRDAIの適格性基準(Fit-and-Proper Criteria)および事業の実現可能性に係る審査を経て、登録申請書フォームIRDAI/R3による承認が付与される

登録後、保険会社はIRDAIに対して定期的な届出や報告書を提出することが求められます。

Q11. 生命保険、損害保険、健康保険、再保険事業における最低払込資本金の要件は何ですか?

最低払込資本金の要件は以下のとおりです。:

番号 保険事業の区分 最低払込資本金要件
 1. 生命保険 100クロール・ルピー(約1,060万米ドル)*
 2. 損害保険 100クロール・ルピー(約1,060万米ドル)*
 3. 健康保険 100クロール・ルピー(約1,060万米ドル)*
 4. 再保険 200クロール・ルピー(約2,110万米ドル)*

FRBについては、2025年法(2025 Act)により、純自己資金(net-owned fund)要件が5,000クロール・ルピー(約5億2,760万米ドル)*から1,000クロール・ルピー(約1億550万米ドル)*に引き下げられました。

また、保険協同組合に対する最低資本金要件も撤廃されています。

Q12. インドの保険会社の設立者(promoter)になることができるのは誰で、どのような適格性基準が適用されますか?

設立者(promoter)は、インド企業または外国企業、金融機関、銀行、その他の適格法人であることができます。すべての設立者は、2024年IRDAI規則(Registration, Capital Structure, Transfer of Shares and Amalgamation of Insurers)に基づき、財務の健全性、誠実性、能力および事業実績に関する基準を満たす必要があります。外国の設立者はさらに、外国為替管理法(Foreign Exchange Management Act, “FEMA“)および外国直接投資(FDI)政策の要件にも従わなければなりません。100%のFDIが許可されているため、IRDAIへの登録および適用されるガバナンス条件を満たせば、完全に外国資本による保険会社の設立も可能です。

Q13. インドの保険会社が継続的に維持すべきソルベンシーおよび財務健全性の要件はどのようなものですか?

すべての保険会社および再保険会社は、常に最低払込資本金要件の50%以上に相当する資産超過額(資産から負債を差し引いた額)を維持する必要があります。これを遵守しない場合、当該事業体は破綻しているとみなされます。

また、保険法(Insurance Act)はIRDAIに対して「ソルベンシー管理水準(Control Level of Solvency)」を定める権限を与えています。保険会社は常にソルベンシー比率(Solvency Ratio)を1.5以上に維持する必要があります。すなわち、利用可能なソルベンシー・マージンは、要求されるソルベンシー・マージンの少なくとも150%でなければなりません。この比率が所定の水準を下回った場合、IRDAIに対して不足分を是正するための財務回復計画の提出が求められます。財務回復計画に従わない場合は、保険法上の違反となります。

保険会社の資金運用は、2024年IRDAI規則(Actuarial, Finance and Investment Functions of Insurers)によって規律されており、資産クラス上限や適正運用基準(prudential norms)が定められています。四半期ごとにソルベンシーに関する報告書をIRDAIに提出する必要があります。

D. 保険事業における外国直接投資

Q14. インドの民間保険会社に適用される現行のFDI上限はどのくらいですか?

2025年法(2025 Act)の施行および、2026 年5月に告示された2019年FEMA(非債務性金融商品)規則[FEMA (Non-Debt Instruments) Rules, 2019 ]の改正により、民間保険会社へのFDIは、払込資本の100%まで認められるようになりました。この規定は生命保険、損害保険、健康保険、再保険を含むすべての保険事業区分に適用されます。インドの保険事業におけるFDI上限は段階的に緩和されており、26%(2000年)→49%(2015年)→74%(2021年)→100%(2025〜26年)となっています。

Q15. 現在、保険事業におけるFDIは自動承認ルートと政府承認ルートのどちらで認められていますか?

保険会社に対する100%までのFDIは、現在自動承認ルート(automatic route)により認められており、事前の政府承認は不要です。これは、一定比率を超えるFDIには政府承認が必要だった従来の体制からの大幅な自由化を意味します。外国投資家は、IRDAIによる登録やソルベンシー、ガバナンスに関する要件を満たす限り、インドの保険会社に直接投資することができます。

Q16. インドの保険会社の100%外国所有には、ガバナンス上の条件や保護措置がありますか?

あります。完全な外国所有であっても保険会社の会長(Chairperson)、代表取締役(Managing Director)または最高経営責任者(Chief Executive Officer)のうちいずれか1名はインド在住の市民であることが義務付けられています。さらに、外国投資を受け入れるすべての保険会社はインドの保険規制の遵守、商品承認要件、投資基準、ソルベンシー基準などを含むIRDAIによる包括的な監督の対象となります。

Q17. ブローカーや法人代理店などの保険仲介業者にも、100%FDI上限は適用されますか?

適用されます。100%のFDI上限は保険仲介業者にも適用されます。対象には保険ブローカー、再保険ブローカー、複合ブローカー、法人代理店、第三者管理者(Third Party Administrators, “TPAs”)、サーベイヤーおよび損害評価者(Surveyors and Loss Assessors, “SLAs”)、MGA(管理型保険代理店)、保険リポジトリなどが含まれます。ただし、各仲介業者カテゴリーに適用されるIRDAI規則を遵守することが条件です。

Q18. LICに適用される特別なFDI規則はどのようなものですか?

LICはLIC法(LIC Act)に基づき設立された法定機関であり、民間保険会社とは区別されます。LICへの外国投資は、民間保険会社に適用される100%のFDI上限とは異なり、払込資本の20%に制限されています。この特例により、政府はLICの過半数の所有権と支配権を維持でき、LICはインドの生命保険市場で支配的な地位を占めています。

E. 株主および所有構造

Q19. 保険会社における設立者(Promoter)の株式保有には、どのようなロックアップ期間や譲渡制限が適用されますか?

2024年IRDAI規則(Registration, Capital Structure, Transfer of Shares and Amalgamation of Insurers)によると、保険会社がインドの公認証券取引所に上場していない場合、設立者の株式保有には投資時期に応じたロックアップ期間が適用されます。登録証明書の交付から15年を経過して行われた投資については、設立者に対して1年間のロックアップ期間が課されます。なお、株式保有率が1%以下の投資家はロックアップ要件の適用除外です。

Q20. 保険会社における経営権の変更や主要株式取得に際して、事前にどのような開示やIRDAIの承認が必要ですか?

登録済み保険会社の議決権付き株式の5%以上の取得、または支配権の変更につながる可能性のある取引は、事前にIRDAIの承認を得る必要があります。申請者はIRDAIの適格性基準(fit-and-proper criteria)を満たし、十分な財務能力を有することを示さなければなりません。なお、保険会社が上場会社である場合は、同時にSEBIの2011年株式大量取得および公開買い付け規則(Substantial Acquisition of Shares and Takeovers Regulations, 2011)の遵守も求められます。

F. 保険流通 — 仲介業者の概要

Q21. インドで保険の販売または勧誘を行うことが認められている仲介業者の種類にはどのようなものがありますか?

IRDAIは以下の種類の保険仲介業者を認定しています。

  1. 保険ブローカー
  2. 再保険ブローカー
  3. 保険コンサルタント
  4. 法人代理店[銀行および非銀行金融機関(NBFC)を含む]
  5. TPA(第三者管理者)
  6. サーベイヤーおよび損害評価者(SLA)
  7. MGA(管理型保険代理店)
  8. 保険リポジトリ

それぞれの仲介業者はIRDAIの固有の規制および登録要件に従って運営されます。

Q22. 保険代理人と保険ブローカーの主な違いは何ですか?

保険代理人は特定の保険会社(または事業区分ごとに1社まで)の代理として業務を行い、当該保険会社から手数料を受け取ります。これに対して、保険ブローカーは契約者・顧客の代理として活動し、複数の保険会社にアプローチして最適な商品を提供できるほか、顧客に対する注意義務 (duty of care)を負います。ブローカーには報酬および利害関係の開示義務が課されるとともに、代理人よりも高い最低資本金要件とより包括的な規制上の義務が適用されます。

G. 保険代理人

Q23. 保険代理人とは誰で、どのように任命され、適用されるライセンス要件は何ですか?

保険代理人とは、1社以上の保険会社を代表して、保険の勧誘や契約の取りまとめを行う個人のことです。任命されるには、候補者はIRDAIが定める試験に合格し、最低限の学歴要件を満たし、保険会社(委任者)が定める承認方針に基づく研修を受ける必要があります。ライセンスは保険会社を通じて付与されます。なお、販売時点担当者 (Point-of-Sales Persons)は、標準化された事前承認済みの保険商品の販売が認められた簡易的な代理人区分です。

Q24. 1人の保険代理人が同時に代表できる保険会社は何社ですか?

1人の保険代理人は、同時に生命保険会社1社、損害保険会社1社、健康保険会社1社を代表することができます。つまり、3つの事業区分にまたがって最大で3社まで担当可能です。ただし、同一事業区分内で競合する保険会社を兼任することはできません。

H. 法人代理店

Q25. 法人代理店とは何か、誰がその資格を有しますか?

法人代理店とは、IRDAIに登録され、保険の勧誘や契約取りまとめを行う会社、LLP(有限責任事業組合)、銀行、NBFC(非銀行金融会社)、協同組合またはその他の法人を指します。資格を得るためには、申請者はIRDAIの適格性基準(fit-and-proper criteria)を満たし、IRDAIが認定する資格を有する主任責任者(Principal Officer)を指名し、顧客対応を担当する特定の担当者を任命する必要があります。当該区分は2015年IRDAI規則(Registration of Corporate Agents)によって規律されています。

Q26. 銀行や非銀行金融会社(NBFC)は法人代理店として活動できますか?また、各事業区分ごとに何社の保険会社と提携可能ですか?

活動できます。銀行やNBFCはインドで最も主要な法人代理店のひとつであり、自社の支店ネットワークを通じて保険を販売しています。このモデルは一般的にバンカシュアランス(Bancassurance)と呼ばれます。IRDAI規制のもと、法人代理店(銀行やNBFCを含む)は業種区分ごとに最大9社の生命保険、損害保険または健康保険会社と提携することができます。この複数提携の仕組みにより、契約者はより幅広い商品の選択肢を得る一方で、銀行と保険会社パートナー間の戦略的な連携も一定程度維持されます。

I. 保険ブローカー

Q27. 保険ブローカーとは何か、またIRDAIが付与するブローカーライセンスの種類にはどのようなものがありますか?

保険ブローカーとは、IRDAIに登録された独立した仲介業者で、顧客にかわって保険または再保険の契約を手配する者です。2018年IRDAI規則(Insurance Brokers)に基づき、IRDAIは以下のブローカーライセンスを付与します。

  1. 生命保険直接ブローカー
  2. 損害保険直接ブローカー
  3. 生命保険・損害保険直接ブローカー
  4. 再保険ブローカー
  5. 複合ブローカー(直接保険および再保険を取り扱う)

2025年法(2025 Act)に基づき、ブローカーの登録は恒久的であるものの、毎年の遵守義務および手数料の支払いが条件となります。

Q28. 各区分の保険ブローカーには、どのような資本金および純資産の要件が課されますか?

2018年IRDAI規則(Insurance Brokers)によると、最低要件は以下のとおりです。:

番号 保険ブローカーの区分 最低払込資本金要件 純資産
 1. 直接ブローカー 75ラーク・ルピー(約7.91万米ドル)* 50ラーク・ルピー(約5.3万米ドル)*
 2. 再保険ブローカー 4ラーク・ルピー(約42.2万米ドル)* 2クロール・ルピー(約21.1万米ドル)*
 3. 複合ブローカー 5クロール・ルピー(約52.8万米ドル)* 2.5クロール・ルピー(約26.38万米ドル)*

さらに、ブローカーは職業賠償責任保険(Professional Indemnity Insurance)に加入し、財務上の安全措置として指定銀行(Scheduled Bank)に保証金を預託する必要があります。

Q29. 複合ブローカーは、直接保険ブローカーや再保険ブローカーとどのような点で異なるのでしょうか?

複合ブローカーは最も広範なライセンスを有し、インド国内外の保険会社にかわって、直接保険(生命保険および損害保険)と再保険の契約を手配することが認められています。直接ブローカーは直接保険(生命保険、損害保険またはその両方)の手配に限定され、再保険ブローカーは再保険契約(条約再保険および随意再保険)のみを手配します。複合ブローカーは業務範囲が広いため、最も高い資本金要件が課されるほか、内部監査体制や専任のコンプライアンス担当者を維持する義務もあります。

J. その他の主要な仲介業者およびサービス提供者

Q30. 保険ウェブアグリゲーターとは何か、どのようなサービスを提供することができますか?

保険ウェブアグリゲーターとは、IRDAIに登録された事業体で、消費者が複数の保険商品を保険料、補償内容、特徴などで比較し、オンラインで購入できるデジタルプラットフォームを運営するものです。ウェブアグリゲーターは客観的かつ正確な商品情報を提供し、報酬を明確に開示するとともに適用される個人情報保護規範を遵守する義務があります。当該区分は2017年IRDAI規則(Insurance Web Aggregators)によって規律されています。

Q31. 保険マーケティング会社(Insurance Marketing Firm, “IMF”)とは何か、ブローカーや法人代理店とはどのような点で異なるのでしょうか?

IMF(Insurance Marketing Firm)は、IRDAIに登録された事業体で、保険の勧誘や契約取りまとめにくわえ、投資信託や銀行商品などの金融商品も取り扱うことができます。IMFは限られた数の保険会社(各時点で生命保険会社、損害保険会社、健康保険会社それぞれ最大6社)と提携し、保険販売員を雇用できます。ブローカーとは異なり、IMFは顧客に対する受託者的義務(fiduciary duty)を負わず、再保険契約を取り扱うこともできません。法人代理店とは異なり、IMFは保険販売と並行して非保険金融サービスを提供することも明示的に認められています。

Q32. 第三者管理者(Third-Party Administrator, “TPA”)とは何か、保険エコシステムにおいてどのような役割を果たしますか?

TPA(Third-Party Administrator)とは、IRDAIに登録された企業で、健康保険会社にかわって健康保険の管理や保険金請求処理サービスを提供するものです。主な役割には以下が含まれます。

  1. 健康保険契約に基づく保険金の処理(キャッシュレスおよび非キャッシュレス請求の決済を含む)
  2. キャッシュレス治療の事前承認の付与
  3. 保険加入前の健康診断の実施
  4. ヘルプラインの運営

TPAはこれらの指定された業務のみを行うことができます。その他の商業活動に従事することは禁止されています。

Q33. 保険金請求の決済プロセスにおけるサーベイヤーおよび損害評価者(SLA)の役割は何ですか?

SLA(Surveyor and Loss Assessor)とは、一般保険会社によって任命されるIRDAI認定の専門家で、損害保険の請求が行われた際に損害の原因、性質、範囲、損失額を独立して査定する役割を担います。ライセンスを有するSLAの任命は以下の場合に義務付けられています。

  1. 自動車保険の請求額が5万ルピー(約528米ドル)*を超える場合
  2. 自動車以外の保険請求で10万ルピー(約1,055米ドル)*を超える場合

SLAの独立した査定報告書は、保険会社が保険金の支払額を決定する際の主要な証拠資料となります。

Q34. 保険会社における指定保険計理人(Appointed Actuary)の役割は何か、インドにおける保険数理機能はどの規則で規律されていますか?

すべての登録済みの保険会社は、資格を有する保険計理人を指定保険計理人(Appointed Actuary)として任命する必要があります。指定保険計理人の主な責務は以下のとおりです。

  1. 保険負債の評価の認証
  2. 保険料率の適正性の確保
  3. 保険会社のソルベンシーマージンの監督
  4. IRDAIに提出される年次保険数理報告書の認証

この役割は2024年IRDAI規則(Actuarial, Finance and Investment Functions of Insurers)および2024年5月に発出されたマスターサーキュラー(Master Circular)によって規律されています。

K. 保険契約者の保護および苦情処理

Q35. インド法のもとでは、保険契約者の利益を保護するためにどのような仕組みが設けられていますか?

保険契約者の保護は複数のレベルで組み込まれています。

  1. IRDAIによる商品承認プロセスによって、保険商品の公正性と透明性が確保されている
  2. 保険会社は社内苦情処理システムを整備し、定められた期間内に苦情を解決する義務がある
  3. クーリングオフ期間[free-look period(保険契約受領後30日間)]により、保険契約者は新たに購入した保険契約を解約し、保険料の返還を受けることができる
  4. 標準化された保険約款および義務的な販売前開示により、消費者が十分な情報に基づいて意思決定できるように保護されている
  5. BIMAバローサ(Bharosa)ポータルは、集中型のオンライン苦情申立てプラットフォームを提供している
  6. 保険オンブズマン制度は独立した紛争解決の仕組みを提供している

Q36. 保険契約者はどのようにして保険会社に対する苦情を申し立てることができますか?保険オンブズマン制度の仕組みとはどのようなものですか?

2017年保険オンブズマン規則(Insurance Ombudsman Rules, 2017)に基づき設けられた保険オンブズマン制度は、保険契約者が保険会社に対する苦情を解決するための費用対効果が高く、非公式で迅速な手段を提供します。現在、インド全土に17のオンブズマン事務所が設置されています。

保険会社が申立てから30日以内に苦情を解決しない場合、または解決内容に満足できない場合、保険契約者はオンブズマンに申立てることができます。オンブズマンは最大50ラーク・ルピー(約5万2,800米ドル)*[2023年11月に従来の30ラーク・ルピー(約3万1,700米ドル)*から引き上げられました]までの裁定を下すことができます。オンブズマンの裁定は保険会社を拘束します。なお、引き続き不満がある場合、保険契約者は適切な消費者紛争処理委員会または民事裁判所に申し立てることができます。

注釈

米ドル換算額は参考値であり、202657日時点のインド準備銀行(RBI)基準為替レート(1米ドル=94.7759インド・ルピー)で換算したものです。便宜上、数値は四捨五入されています。

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