国家市場監督管理総局(SAMR)はこのほど、2024年に全国で実施した「知的財産保護」特別取り締まり行動で摘発された商標権侵害事件の典型事例7件を公表した。その中で、江蘇省蘇州市で摘発された「YKK」ファスナーの大規模な偽造販売事件が注目されている。
2024年3月、江蘇省常熟市市場監督管理局は公安当局(警察)と連携し、蘇州市凱棟服装付属品有限公司による「YKK」商標偽造ファスナーの製造・販売事件を摘発した。現場からは「YKK」ロゴ入り偽造ファスナー1261本とファスナーヘッド108万個以上が押収され、総被害額は150万元(1元は約20.1円)を超えると推定されている。
調査の結果、この事件は関与者が多く、広範囲に活動していたほか、組織的な分業体制を整えた偽造販売のブラック産業チェーンが構築されていたことが明らかになった。市場監督管理局は市公安局と共同で特別捜査班を立ち上げ、偽造販売ネットワークの全面的な解体を目指した。本件では、オンラインショップの販売記録を徹底分析し、上流サプライヤーを突き止める「遡及型捜査」を実施することで、知財侵害行為を追跡した点が特筆される。
その他の典型事例として、上海市での偽商品販売を助長した広告代理店の摘発、広東省での「Kayou」アニメトレーディングカード著作権侵害事件、江西省贛州市での地理的表示(GI)偽装販売事件などが挙げられている。今回公表された事例は生産、流通、広告宣伝など多岐にわたり、市場監督部門が知的財産権保護を強化し、公正な競争秩序を維持する決意を示している。
出所:国家市場監管総局公式サイト
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