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本FAQは、2019年賃金法典(Code on Wages, 2019)(以下「賃金法典」または「本法典」といいます。2025年11月21日施行)および2026年賃金法典(中央)規則[Code on Wages (Central) Rules, 2026](以下「賃金規則」といいます。2026年5月8日施行)の主要な事項について理解を深めていただくことを目的として作成したものです。
本FAQは、インドにおいて変化を続ける賃金法制度への対応を進める雇用主、人事担当者および業界関係者の皆様に向けた実務上の参考資料としてご活用いただくことを目的としています。
目的および適用範囲
Q1. 2019年賃金法典の目的は何ですか?
賃金法典は、インドの分断された労働法制を統合、簡素化および合理化することを目的とした画期的な法律です。
その主な目的は、賃金保護の普遍化を図り、業種または産業の区別なく、すべての労働者が公正な賃金および最低賃金保護を受けられるようにすることにあります。
Q2. どの法律を統合しましたか?
賃金法典は、以下の4つの中央労働法を統合し、これらの法律を廃止するものです。
- 1936年賃金支払法
- 1948年最低賃金法
- 1965年賞与支払法
- 1976年同一報酬法
Q3. 賃金法典は誰に適用されますか?
賃金法典は、インド全土のすべての事業所に対し、雇用されている労働者または従業員の人数にかかわらず適用されます。
「事業所」とは、産業、取引、事業、製造または職業が営まれるあらゆる場所を意味し、政府事業所(Government Establishment)(政府または地方自治体の事務所または部門を意味する)を含むものと定義されています。この広範な「事業所」の定義により、賃金法典の普遍的な適用範囲が拡大されています。
賃金法典による保護対象範囲は、すべての「従業員」に拡大されています。「従業員」とは、1961年徒弟法(Apprentices Act, 1961)に基づく見習いを除き、事業所に雇用され、報酬または対価を得るために、技能職、半技能職、非技能職、肉体労働、業務職、監督職、管理職、事務職、技術職または書記職の業務を行う者をいいます。雇用条件が明示的であるか黙示的であるかを問いません。また、直接雇用される労働者だけでなく、請負業者を通じて雇用される労働者も対象となります。
Q4. 賃金法典は、請負労働者や第三者サービス提供会社を通じて雇用される労働者にも適用されますか?
はい。賃金法典は、請負業者または第三者サービス提供会社を通じて雇用された従業員を含む、すべての従業員に適用されます。
賃金規則(Wage Rules)第11条は、請負業者を通じて従業員が雇用される場合、元請使用者(Principal Employer)は、本法典に従い当該従業員に支払われるべき賃金を請負業者に支払わなければならない旨を明確に規定しています。元請使用者は当該賃金の直接の支払義務を負うものではありませんが、同規則により金銭上および監督上の義務が課されます。
「賃金」の定義
Q5. 賃金法典において「賃金」はどのように定義されていますか?
第2条(y)は「賃金」を、給与、各種手当またはその他の形態によるすべての報酬であって、金銭で表示されるまたは金銭で表示することができ、雇用条件(明示または黙示)が履行された場合に、雇用または行った労働に関して個人に対して支払われるべきものと定義しています。
「賃金」には、明示的に(i)基本給、(ii)物価手当(Dearness Allowance)、および(iii)留用手当(Retaining Allowance)(存在する場合)が含まれます。
Q6. 「賃金」から除外される給与項目は何ですか?
「賃金」から除外される構成要素は以下のとおりです。
- 雇用条件上支払われるべき報酬の一部を構成しない賞与
- 住居、光熱・水道、医療または政府命令により除外されるその他の福利厚生・サービスの価値
- 使用者が拠出する年金基金または積立基金(Provident Fund)への拠出金およびその利息
- 通勤手当または旅行優遇措置の価値
- 雇用の性質上必要な特別経費を補填するために支払われる金額
- 住宅家賃手当(HRA)
- 裁定、和解または裁判所・審判所命令に基づき支払われる報酬
- 時間外労働手当
- 従業員に支払われるコミッション
- 雇用終了時に支払われるグラチュイティ(Gratuity)
- 整理解雇補償金、退職給付または任意支給金(ex gratia payment)
- 雇用終了予告に代わる金員
Q7. 「賃金」からの除外項目に50%の上限が設けられた意義は何ですか?
賃金法典は、重要な保護措置を導入しています。すなわち、除外項目[上記Q6に記載された(i)から(xii)の項目]の合計額が、従業員に支払われるべき総報酬の50%を超える場合、当該50%の上限を超過する金額は、本法典上のすべての目的において「賃金」とみなされます。
これは、使用者にとって重要な実務上の影響を有します。多くの企業は、「賃金」基準額を引き下げ、それにより従業員の賃金を基準として算定または支払われるプロビデントファンド(Provident Fund)、賞与、グラチュイティ(Gratuity)および時間外労働手当の計算額を低く抑えるため、住宅家賃手当(HRA)、特別手当、通勤手当等の各種手当の割合を高く設定しています。
50%上限の導入は、従前の制度からの大きな転換を示すものであり、従業員の総報酬の少なくとも50%が「賃金」として取り扱われ、最低賃金による保護および賞与計算がこのより広い基礎額に基づいて適用されることを実質的に確保するものです。使用者は、この上限への適合を確保するため、既存の給与体系を速やかに見直す必要があります。
Q8. 50%上限と整合しない給与体系を定めた既存の雇用契約に対し、賃金法典はどのように適用されますか?
賃金法典の規定は、これに反するいかなる合意または契約にも優先して適用されます。既存の雇用契約または給与体系において、HRA、特別手当その他の手当等の除外項目の合計が総報酬の50%を超えることにより、「賃金」に該当する構成部分が総報酬の50%を下回る場合、50%を超える当該超過額は、本法典に基づき「賃金」とみなされます。
使用者は、契約によってこの規定を免れることはできません。使用者は、既存のすべての給与体系および雇用契約について速やかに監査を実施し、コンプライアンス違反の有無を確認するとともに、必要な是正措置を講じることが求められます。
労働時間、休日およびフロア賃金
Q9. 「最低賃金」と「賃金」の違いは何ですか?
「賃金」は、賃金法典における広義の概念(上記Q5で定義したとおり)であり、従業員に支払われるべきすべての報酬を包括し、グラチュイティ(Gratuity)、賞与その他の義務を算定するための基礎となります。
一方、「最低賃金」は、特定の職種および地域に属する従業員に対して使用者が支払わなければならない法定の最低報酬額をいいます。この賃金率は所管の州政府によって定められ、当該州に登録された事業所はこれを遵守しなければなりません。使用者は、当該従業員の区分に適用される所定の最低賃金を下回る賃金を支払うことが禁止されています。
Q10. 「フロア賃金」とはどのような概念であり、賃金法典に基づきどのように決定されますか?
賃金法典は、第9条においてフロア賃金(Floor Wage)の概念を導入しています。これは、いかなる州政府もこれを下回る最低賃金を定めることができない全国統一の最低基準です。
フロア賃金は、食料、衣類および住居を含む労働者の生活水準を考慮したうえで、中央政府が決定します。中央諮問委員会および各州政府との協議を経て、5年を超えない間隔で定期的に改定されることがあります。
Q11. 「フロア賃金」と「最低賃金」の違いは何ですか?最低賃金がフロア賃金を下回ることはありますか?
フロア賃金は、中央政府が定める全国統一基準であり、いかなる州もこれを下回る最低賃金を定めることができない絶対的最低基準です。最低賃金は、フロア賃金に基づいて州政府が労働者の区分ごとに定める具体的な賃金率であり、通常、フロア賃金を上回ります。
賃金法典第9条第2項は、州政府が定める最低賃金はフロア賃金を下回ってはならないことを明示的に規定しています。また、いずれかの州政府がすでに告示している最低賃金がフロア賃金を上回る場合、当該最低賃金を引き下げることはできません。フロア賃金は絶対的な下限基準として機能し、最低賃金は特定の労働者区分について使用者に課される具体的な法的義務となります。
Q12. 見習いや研修生は、最低賃金に関する規定の対象となりますか?
賃金法典は、1961年徒弟法(Apprentices Act)に基づいて雇用される「見習い(Apprentice)」を「従業員」の定義から明示的に除外しています。その結果、見習いとして雇用される者は、最低賃金や賃金支払に関する保護など、本法典に基づく法定の保護を受ける権利を有しません。
ただし、この除外規定は限定的に解釈され、正規の見習い制度に基づく場合にのみ適用されます。「見習い」と称されていても、実質的には通常の雇用関係として業務を行っている者、または正式な見習い制度の枠組みに基づかず「研修生(Trainee)」や「試用者(Probationer)」として指定されている者は、本法典上の「従業員」に該当する可能性があります。したがって、使用者は、適用対象となるかを判断するため、契約・就労形態の実態を慎重に確認する必要があります。
労働時間、休日および時間外労働
Q13. パートタイム従業員は、通常の一労働日分の賃金を受け取る権利がありますか?
賃金規則第12条は、(i)従業員が雇用条件に基づきパートタイムで就労することに同意している場合、または(ii)その他の適用労働法に基づき全額賃金を受け取る権利を有しない場合には、通常の一日分の全額賃金を受け取る権利は生じない旨を明確にしています。
このような場合、賃金は実際の就労時間に比例して支払われます。パートタイム労働者を雇用する使用者は、雇用条件書においてパートタイムの取り決めを明示的に記載し、それに応じた賃金計算を行うことが求められます。
Q14. 時間外賃金は誰が対象となり、どの率で支払われなければなりませんか?
第13条は、所管政府(Appropriate Government)[すなわち、賃金法典第2条(d)に定める業種の区分に応じた中央政府または州政府]に対し、通常労働日を構成する労働時間を定める権限を付与しています。賃金規則第5条第1項は、日単位の通常労働時間を8時間と定めており、これを超える労働には時間外労働手当が発生します。賃金法典第14条は、このような時間外労働について、通常の賃金率の2倍を下回らない率で支払うことを義務付けています。
さらに、賃金法典第13条第2項は、時間外労働が発生し得る状況として、予見または防止することができない緊急事態、通常の労働時間を超えて実施する必要がある準備的または補完的作業、本質的に継続的な業務、技術的理由により就業シフト終了前に完了させる必要がある作業、および不規則な自然力に左右される作業等を定めています。
控除、賞与および支払義務
Q15. 賃金法典に基づき、賃金から控除することが認められる項目にはどのようなものがありますか?
第18条第2項は、許容される控除を網羅的に列挙しており、(i)罰金、(ii)欠勤による控除、(iii)従業員に委託された物品の損害・紛失、または従業員が責任を負う金銭の損失に係る控除、(iv)使用者が提供する住居に係る控除、(v)所管政府が承認した福利厚生およびサービスに係る控除、(vi)前払金の回収または過払賃金の調整、(vii)認可された労働者福祉基金からの貸付金の回収、(viii)所得税(Income Tax)に係る控除、(ix)認可された協同組合への掛金・返済金(従業員の書面による同意を条件とする)、(x)認可された保険または福祉制度への支払、および(xi)従業員積立基金(EPF)および従業員国家保険(ESI)の拠出金。
いかなる賃金期間においても、すべての控除の合計は当該期間における従業員の賃金の50%を超えてはなりません。控除額が50%を超える場合、その超過分は、その後の賃金期間において回収しなければなりません。
賃金規則第17条および第18条は、欠勤、損害または紛失を理由とする控除について手続的な保護措置を定めています。すなわち、使用者は、控除を行う前に、当該損失の内容および金額を書面で従業員に通知し、従業員に説明を行う機会を与えなければなりません。
Q16. 賞与の支払義務に変更はありますか?
賃金法典は、旧1965年賞与支払法(Payment of Bonus Act, 1965)の賞与規定を踏襲・再規定しています。主な規定は以下のとおりです。
- 対象資格: 従業員は、当該会計年度に少なくとも30就業日以上就労し、かつ月額賃金・給与が21,000ルピー以下である必要があります。
- 最低賞与: 当該会計年度の賃金の8.33%、または100ルピー、いずれか高いほう。
- 最高賞与: 当該会計年度の賃金の20%。
- 計算方法: 配分可能剰余金(非銀行業は60%、銀行会社は67%)を基礎として、第36条の繰越・繰戻メカニズム(set-on/set-off)に従い決定されます。
賃金規則第21条は、契約従業員に対する賞与支払について重要な変更を定めています。請負業者を通じて雇用された従業員に対して請負業者が賞与を支払わない場合、従業員または登録労働組合から、請負業者による賞与不払いの事実に関する情報および確認を書面で受領することを条件として、会社、法人、団体等は当該従業員に最低賞与額を支払う義務を負います。
一度本法典の適用を受けた事業所は、その後従業員数が20人を下回ることとなった場合でも、引き続き適用が継続されます。
Q17. 賃金法典に基づき、使用者はどのような支払義務を負いますか?
使用者は、1か月を超えない期間ごとに賃金を支払わなければならず、賃金期間終了後、1,000人未満の労働者を雇用する事業所については7日目の終了前までに、1,000人以上の労働者を雇用する事業所については10日目の終了前までに支払を完了しなければなりません。雇用終了時には、最終賃金を雇用終了後2就業日以内に支払わなければなりません。
賃金は、硬貨または紙幣、小切手、従業員の銀行口座への直接入金、または電子的もしくはデジタル形式の支払手段により支払うことができます。また、賃金規則は、すべての使用者に対し、所定の様式(Form V)による賃金明細書を、賃金支払時またはその前に、電子的方法または書面により従業員へ交付することを求めています。
帳簿・記録管理、コンプライアンスおよび賃金規則
Q18. 使用者はどのような記録を保持しなければなりませんか?
本法典第50条および賃金規則第51条に基づき、賃金法典が適用される事業所のすべての使用者は、以下の台帳を(電子的または物理的形式で)備え付け、保存しなければなりません。
- 従業員台帳 — 様式I(Form I)
- 賃金、時間外労働、前払金、罰金および損害・損失に関する控除台帳 — 様式IV(Form IV)
- 出勤簿(Muster Roll)— 様式IX(Form IX)
これらの記録は、最終記入日から5年間保存しなければなりません。本法典に基づき任命された監督官兼促進官(Inspector-cum-Facilitator)は、これらの記録を検査する権限を有しています。
Q19. 賃金法典は性別に基づく賃金差別を規制していますか?
はい。本法典第3条は性別に基づく賃金差別を禁止しています。使用者は、同一の業務または類似の性質の業務に従事する従業員について、異なる性別の従業員に支払われる報酬を下回る報酬を支払ってはなりません。この義務は、廃止されて賃金法典に統合された1976年均等報酬法(Equal Remuneration Act, 1976)の保護を引き継ぐものです。
「同一の業務または類似の性質の業務」とは、必要とされる技能、労力、経験および責任が同等であり、いずれの性別の者によって行われる場合であっても、類似の労働条件のもとで行われる業務を指します。賃金の差異は性別に起因するものであってはなりません。これに違反した場合には、賃金法典に基づく犯罪を構成します。また、使用者は、採用および昇進においても性別に基づく差別が行われないよう確保しなければなりません。
Q20. 賃金法典に基づく規則は施行されましたか?
2026年賃金法典(中央)規則[Code on Wages (Central) Rules, 2026]は、インド政府労働雇用省により2026年5月8日付でインド公式官報に公布され、施行されました。
賃金規則は、旧4法に基づき従前適用されていた多数の規則に代わるものです。これには、1956年賃金支払(鉱山)規則[Payment of Wages (Mines) Rules, 1956]、1968年賃金支払(航空輸送サービス)規則[Payment of Wages (Air Transport Services) Rules, 1968]、1950年最低賃金(中央)規則[Minimum Wages (Central) Rules, 1950]、1975年賞与規則(Bonus Rules, 1975)、1976年均等報酬規則(Equal Remuneration Rules, 1976)等が含まれます。
旧規則に基づくコンプライアンスを行っていた使用者は、今後、統一された賃金規則に基づく管理体制へ移行する必要があります。また、各州政府は、賃金法典に基づく州規則を別途制定することが求められています。
Q21. 規則は、最低賃金およびフロア賃金の算定・決定にどのような影響を及ぼしますか?
規則第3条は、最低賃金の算定について、科学的かつ需要に基づく方法論を定めています。最低賃金は、以下の基準を満たす「標準労働者階級世帯」(労働者本人、配偶者および2人の子どもから構成され、成人3人分の消費単位に相当)を考慮して決定されます。
- 食費:1消費単位あたり1日2,700カロリー
- 衣料費:標準労働者階級世帯1世帯あたり年間66メートルの布地
- 住居費:食費および衣料費支出の10%に相当する賃貸価値
- 燃料、電気、その他の雑費:最低賃金の20%
- 子どもの教育費、医療費、娯楽費および不測の支出:最低賃金の25%
Q22. 異なる区分の労働者に適用される最低賃金は、どのように決定されますか?
規則第4条は、賃金法典第6条に基づき中央政府が最低賃金を決定する際に考慮すべき基準を定めています。中央政府は、(i)地理的区域、(ii)当該雇用分野における経験、および(iii)必要とされる技能レベル(未熟練、半熟練、熟練および高熟練に区分)を考慮しなければなりません。
賃金規則は、4つの技能区分について以下のとおり定義しています。
- 未熟練(Unskilled): 業務遂行上の経験のみを必要とし、追加的な技能を要しない業務。
- 半熟練(Semi-Skilled): 就業経験を通じて習得される技能を必要とし、熟練労働者の監督または指導のもとで技能を用いる業務であり、未熟練労働者の監督を含む業務。
- 熟練(Skilled): 訓練または職業訓練機関を通じて習得した専門知識および能力を必要とし、主体性および判断力が求められる業務。
- 高熟練(Highly Skilled): 専門的、技術的または職業的な高度な経験および能力を必要とし、判断および意思決定について全面的な個人責任が求められる、非常に高い水準の技能を要する業務。
また、中央政府は、最低賃金の決定を目的として、技能区分、危険を伴う工程、地下作業および地下関連作業、その他の作業分類について助言を行うための技術委員会を設置します。
Q23. 物価手当の改定について、どのような規定が設けられていますか?
賃金規則第4条は、変動物価手当(Variable Dearness Allowance:VDA)の改定について規定しています。生計費手当および必需品に係る優遇措置の現金価値は、VDAの改定を行うため、毎年4月1日前および10月1日前の年2回改定されます。
この年2回の改定メカニズムは、最低賃金の購買力を物価上昇に応じて維持することを目的としています。最低賃金を支払う使用者は、これらの改定を考慮し、各改定日において適切な賃金の増額調整を行わなければなりません。
Q24. 規則では、週休日についてどのように規定されていますか?
賃金規則第6条に基づき、すべての従業員は、少なくとも週1日の週休日を取得する権利を有します。 6日勤務制の場合、原則として日曜日を週休日とし、5日勤務制の場合、土曜日および日曜日を週休日とします。
ただし、使用者は、職場において十分な通知を行うことを条件として、従業員または従業員区分ごとに、別の日を週休日として指定することができます。
従業員が週休日に勤務した場合、使用者は、当該週休日の直前または直後の週内のいずれかの勤務日に代替週休日を付与しなければなりません。また、この代替週休日は、週の労働時間を算定する際、当該代替週休日が含まれる週の週休日として取り扱われます。
死亡、雇用終了および未払賃金
Q25. 雇用終了時における使用者の義務はどのようなものですか?
雇用の終了(辞職、解雇、整理解雇またはその他の事由による場合を含む)に際し、使用者は第17条第2項に基づき、当該雇用終了の日から2就業日以内に、従業員に対して支払うべきすべての賃金を支払わなければなりません。
これを怠った場合、本法典に基づく罰則の対象となる可能性があります。また、使用者は、未払いまたは未請求の賃金について、請求および回収に関する枠組みに従って処理しなければなりません。
Q26. 従業員の死亡により未払いとなった賃金について、使用者はどのような義務を負いますか?
賃金規則第45条に基づき、すべての従業員は、死亡時に当該従業員の未払金を受領する権利を有する者を指定し、様式VII(Form-VII)により届出を行わなければなりません。当該未払金は、当該金額が支払可能となった日から3か月を経過するまでの間、従業員が指定した被指名者に対して支払われるものとします。
使用者が被指名者の所在または身元を確認できない場合、使用者は、管轄権を有する副中央労働長官[Deputy Chief Labour Commissioner (Central):DCLC]に当該金額を預託しなければならず、DCLCが当該金額を払い渡すものとします。
指定が行われていない場合、またはその他の理由により被指名者に当該金額を支払うことができない場合、使用者は、当該金額が支払可能となった日から6か月を経過した後、その期間の終了日から15日以内に、未払額をDCLCに預託しなければなりません。
罰則、法執行および紛争解決
Q27. 賃金法典への違反または不遵守により生じる罰則および法的効果には、どのようなものがありますか?
賃金法典第54条は、不遵守に対する罰則について、以下のとおり規定しています。
| 違反内容 | 初回違反 | 再違反(5年以内) |
| 最低賃金率/フロア賃金を下回る賃金の支払い | 50,000ルピー(5万ルピー)以下の罰金 | 1,00,000ルピー(10万ルピー)以下の罰金、および/または3か月以下の禁錮刑 |
| 無断控除/賃金不払い | 50,000ルピー(5万ルピー)以下の罰金 | 1,00,000ルピー(10万ルピー)以下の罰金、および/または3か月以下の禁錮刑 |
| 賃金法典のその他の規定、または同法に基づき制定された規則もしくは発出された命令への違反 | 20,000ルピー(2万ルピー)以下の罰金 | 40,000ルピー(4万ルピー)以下の罰金、および/または1か月以下の禁錮刑 |
| 登録簿の備付け義務違反/賃金明細の不交付 | 10,000ルピー(1万ルピー)以下の罰金 | — |
また、本法典は、一定額の違反処理金(composition fee)を支払うことによるコンパウンディング(compounding)を認めています。これにより、使用者は起訴を受けることなく、軽微な違反を是正することができます。この制度は、意図しない不遵守を是正しようとする使用者にとって、重要なコンプライアンス手段となります。
Q28. 賃金が支払われない場合、従業員はどのような救済手段を利用できますか?
賃金法典は、以下のとおり、従業員のための簡素化された救済手続を規定しています。
- 不利益を受けた従業員(またはその労働組合もしくは法律上の代理人)は、所管政府が指定する当局[通常、上級労働官または労働長官補佐(Assistant Labour Commissioner)]に対し、所定の様式[すなわち様式II(Form II)]により申立てを行うことができます。
- 当該当局は、双方の当事者から事情を聴取した後、未払賃金の支払いを命じることができ、さらに未払賃金額の最大10倍までの補償金の支払いを命じることができます。
- 当該当局の命令に対する不服申立ては、所管政府が指定する上訴当局に対し、命令の日から60日以内に、所定の様式[すなわち様式III(Form III)]により行うことができます。
- さらに、法律問題については、高等裁判所(High Court)に上訴することができます。
Q29. 使用者は、賃金に関する違反行為について刑事訴追される可能性がありますか?
はい。当局による命令にくわえて、本法典は、以下の違反行為について使用者の刑事訴追を規定しています。
- 最低賃金率を下回る賃金の支払い
- 無断控除の実施
- 賃金の期限内支払い義務違反
- 賃金における性別差別
- 監督官兼促進官(Inspector-cum-Facilitator)の職務執行妨害
訴追は、監督官兼促進官が使用者に対して法令遵守の機会を与えた後に開始されることがあります。本法典はまた、特定の違反についてコンパウンディング(compounding)を認めており、使用者が刑事手続を経ることなく不遵守を是正するための重要な制度となっています。
The content of this article is intended to provide a general guide to the subject matter. Specialist advice should be sought about your specific circumstances.
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