ARTICLE
16 October 2023

第60493341号「DW」商標異議申立事件から見る著作権登録証の役割

K
Kangxin

Contributor

Kangxin Partners is a leading Chinese IP firm, providing comprehensive IP services to global and domestic clients for over 25 years. Experienced IP professionals work with clients ranging from startups to Fortune 500 companies to secure their IP assets. Kangxin grows exponentially while continuing to provide exceptional IP services.
異議申立人であるドラム...
China Intellectual Property

事件の概要:

異議申立人であるドラム・ワークショップ社は、カリフォルニアのドラム・ドラム用ハードウェアメーカーであり、1980年代には既に自社の製造するドラム製品に「1377394a.jpg」マークを付け始めた。2022年4月、異議申立人は、著作権侵害を理由として成都華智心品演藝設備有限公司(以下、被異議申立人という)が第9類「扬声器音箱」など商品で出願した第60493341号「1377394b.jpg」商標(以下、被異議申立商標という)に対して異議を申し立てた。

商標局は異議申立審決書において以下のように認定した。異議申立人が提出した中国国家版権局で著作権登録を行った著作権登録証、展示会やイベントの写真などの証拠は異議申立人が「1377394a.jpg」美術作品に対して先行著作権を有していることを証明することができる。被異議申立商標の出願日よりも前に、異議申立人が当該美術作品に対し一定の宣伝使用を行っており、関連公衆の中で一定の知名度を持っていたため、被異議申立人がその作品に接触した可能性がある。被異議申立商標と異議申立人の当該美術作品は、デザインスタイルや全体の視覚効果が類似しており、両者は実質的に類似している。したがって、被異議申立人が異議申立人の許可を得ずに被異議申立商標を出願したことは、異議申立人の先行著作権に対する侵害に該当する。

商標法第32条および第35条に基づき、商標局は、第60493341号商標を登録しない旨の審決を出した。

康信コメント: 

本件では、異議申立人が先行著作権を有していることを証明するための証明書類として、美術作品の譲渡契約書と著作権登録証のみを提出した。著作権登録証に記載されている登録日が被異議申立商標の出願日よりも早いため、商標局はこの著作権登録証を先行著作権の成立を認定する証拠として認め、異議申立人が「1377394a.jpg」美術作品に対して先行著作権を有していると判断した。

通常、先行して著作権を取得しているという事実は、当該著作物を先に公表したことを示す証拠資料、当該著作物を先に創作・完成させたことを示す証拠資料、著作権登録証、相続や譲渡などの方式により先に著作権を取得したことを示す証拠資料によって証明することができる。著作権登録証は係争商標の出願日より前に取得した場合、即ち、著作権登録証に記載されている登録日が係争商標の出願日よりも早い場合、この著作権登録証は係争商標の出願前に当該作品が既に完成したことを証明でき、この著作権登録証だけを証拠として提出したとしても、先行著作権を有する初歩的な挙証責任を履行したことを認定でき、相手の当事者が相反する証拠を提供できない限り、先行著作権が成立であると認定できる。

従って、異議申立や無効審判請求の事件においては、係争商標の出願日より早い日に登録された著作権登録証を提出できれば、挙証責任を大幅に軽減することができる。

The content of this article is intended to provide a general guide to the subject matter. Specialist advice should be sought about your specific circumstances.

Mondaq uses cookies on this website. By using our website you agree to our use of cookies as set out in our Privacy Policy.

Learn More