福建省高級人民法院(高裁)は24日、広州白駒科技有限公司が提起した著作権侵害訴訟の控訴審で、被告4社に計60万元余(1元は約20.7円)の賠償を命じた一審判決を支持する判断を示した。裁判所は、被告企業が運営するプラットフォーム上で、販売代理店に対し競合他社の短編動画を無断転載するための技術的指導が組織的に行われていたと認定した。
争点となったのは、被告側が業務用チャットツールで配布した「B站(ビリビリ)無人配信マニュアル」などの資料である。そこには、原告企業が「B站」や「知乎」で公開した動画の無断転載手法、著作権者特定を回避する透かし除去技術、AIを用いた文章改変による審査回避の方法、さらに競合他社のアカウント名を検索キーワードに設定して顧客を誘導する手口が詳細に記されていた。被告側は「単なるノウハウ共有であり、自社の関与はない」と主張したが、裁判所はこれを退けた。
判決は、原告の動画が独創性を備え著作物として保護に値すると認定。被告らが「自主制作不要」を売り文句に代理店へ他社コンテンツの流用を促した行為は明確な悪意を伴い、著作権侵害を教唆・助長したと判断した。また、競合他社の成果を不正利用して利益を得る行為は公正な競争秩序を損なうとして、不正競争の成立も認めた。
裁判長は今回の判決について、「AIスピニング(AIによる著作物改変)」や「キーワード引流(特定のキーワードで検索するユーザーを不正に自社のウェブサイトやプラットフォームに誘導する行為)」といった新たな不正行為を競争法で規制する先例となったと説明した。さらに、形式上は別組織とされる複数企業の共同違法行為を認定した点で、デジタル経済下で巧妙化する不正への規制の枠組みを示したと評価されている。
出所:中国知識産権資訊網
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