医薬品特許紛争の早期解決メカニズムとして知られるパテントリンケージ制度が導入されてから2年が経過した。国家知識産権局(CNIPA)がこのほど、この制度の実施成果を記者会見にて発表した。
中国専利法の第4次改正(2021年)によりこの制度が採用され、医薬品の市販承認審査・認可過程における紛争を早期に解決する手段となっている。CNIPAには、これまでに140件の関連行政裁決請求が寄せられ、そのうち112件の審理が終了した。対象となった案件は、30種類以上の医薬品と50種類以上の規格に関連している。先発医薬品製造企業25社が後発医薬品メーカー42社に対して申し立てを行い、その中で抗がん剤のマレイン酸ネラチニブ錠に関する案件が最も多かった。審理が終了した案件の平均審理期間は約166日で、最も短いものはわずか35日であった。また、中国で初の医薬品 パテントリンケージ訴訟事件が最高人民法院で審理され、判決が下されている。
CNIPAの責任者は、「医薬品特許紛争の早期解決メカニズムは、まだ中国で2年間運用されたばかりである。特許情報の真実性と十分性を規範化する方法や、特許登録可能範囲外の特殊な状況への対応、特許挑戦の成功をどのように定義するかなど、現場で直面する複数の課題について、引き続き模索する必要がある」と述べた。
一方で、「医薬品分野の知的財産権保護に力を入れ、医薬品の革新的な成果に対してより多くの支援を提供することには変わりない」と強調。そして、医薬品知的財産権保護の中国特有のモデルを模索し、新たな良薬の開発がより多くの国民に恩恵をもたらすことを促進するという方針を示した。
出所:国家知識産権局公式サイト
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