シンガポールとフランスは、中国における「ワニ」の商標使用権について、20年間も争奪戦を繰り広げている。フランスのラコステ社は最近、シンガポールのクロコダイル社の商標登録に対し行政訴訟を提起し、北京でまた商標権の争いを始めた。

 

 北京市高級人民法院(高裁)は2010年、シンガポールのクロコダイル社が使用している「CARTELO」マークと、ラコステ社が権利を主張する登録商標との類似性を否定し、消費者の混同及び誤認を招くことはないとの判決を出していた。一方、フランスのワニマークは中国で比較的早期に登録されたため、裁判所はシンガポール側に対して、明らかに区別できるように商標を使用することを求めた。最高人民法院は2010年12月29日に2審判決を下し、ラコステ社の控訴を棄却し、1審判決を維持した。

 ラコステ社は2018年、クロコダイル社が2012年に第18類に登録した商標が、自社の商標と類似していると主張し、元商標評審委員会 (現在の国家知識産権局) に対して、クロコダイル社商標の無効を請求した。国家知識産権局は2018年11月、2つの「ワニ商標」は類似しないと裁定し、クロコダイル社の商標を維持した。

 

 ラコステ社が不服し、クロコダイル社は商標の使用中にフランスのワニマークとの識別を故意に薄め、混同を引き起こす明らかな悪意を持っていると主張し、裁決取り消し行政訴訟を提起した。北京市高級人民法院がこのほど下した判決の中で、2つの「ワニ商標」が類似商品で使用されている類似商標を構成すると判断し、商標評審委員会の裁決を取り消し、国家知識産権局に再審を命じた。

出所:中国保護知識産権網

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