2月27日、中国最高人民法院(最高裁)は記者会見を開催し、新たに「人民法院案例データベース」が正式に稼動し、社会に向けて公開されたことを発表した。このデータベース(https://rmfyalk.court.gov.cn)には、最高人民法院の審査を経て選ばれた、類似事件に対する参考となる権威ある裁判例が収録されている。裁判官は、裁判する際に必ずこのデータベースを参照し、収録された類似の裁判例を参考にして判決や裁定を行うことが求められる。この取り組みは、裁判の基準と規則を統一し、「同案不同判」(同様・類似な事件であるにも関わらず、異なる判断が下されること)という問題の解決を図り、法律の正確かつ統一された適用を目指すものである。

 最高法院によると、現在、データベースには合計3711件の裁判例が登録されており、その内訳は刑事事件が1453件(全体の39.15%)、民事事件が1643件(44.27%)、行政事件が405件(10.91%)、国家賠償事件が23件(0.62%)、執行事件が187件(5.04%)となっている。

 また、最高法院は昨年から一般社会からの裁判例募集を行っており、これまでに社会から推薦された裁判例245件が受け取られ、その一部は既にデータベースに登録されている。各裁判例にはユーザーからのコメントと意見・提案ができるフィードバックモジュールが設けられており、「案例推薦」チャンネルも開設されている。社会各界からのフィードバックに基づき、裁判例のタイムリーな更新が予定されている。

 データベースには、経済の高品質な発展を促すための裁判例が多数含まれており、民間企業の財産権保護、企業のコンプライアンス問題、知的財産権の保護など、重要な裁判例が収録されている。この動きは、中国の司法透明性と統一性の向上に寄与するものと期待されている。

出所:最高人民法院知識産権法廷公式サイト

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