浙江大学によると、同大の中国科学教育戦略研究院が中心になり作成した科学技術戦略報告書「重要分野の学際先端方向2021」が13日、正式に発表された。同報告書は現在の世界の科学技術イノベーションのホットな話題に焦点を当て、新薬開発、フューチャーコンピューティング、人工合成生物、AI(人工知能)+ゲノム編集、脳・意識・AIの5大分野を取り上げ、50の学際的先端方向を凝縮・形成した。同時に各分野の世界における発展の流れ、国家戦略の展開、将来の発展計画について解説・分析した。

同大の関係責任者によると、同報告書は研究方法の面で専門家への諮問と計量文献学を結びつけた方法を採用し、専門家の研究・判断と集中的な議論を中心とし、計量文献学の分析を補完とした。専門家の意見とデータ分析結果が相互補完し、バージョンアップを繰り返し、分析結果の信頼性を比較的よく保証した。

新薬開発について。同報告書の見方によると、新薬開発は生命科学分野の重要な一環だが、革新的な理論による指導の不足、学際による革新的な技術方法の応用の不足といった問題の制限を受けてきた。同時に新薬のターゲットが不足し、化合物の合成プロセスが複雑で、薬品生産の実現性の評価に時間と労力がかかり、薬品の薬効が低く、副作用が大きいといった問題が終始、新薬開発の成功率を下げていた。スマート計算に基づくスマート薬学、革新的な材料に基づくマイクロナノ薬学、マルチオミクス統合に基づくシステム薬学、細胞工学に基づく細胞薬学が新薬開発とバイオ医薬の重要な発展方向を代表している。

出所:人民網

フューチャーコンピューティングについて。同報告書の見方によると、短期的にはシリコン系ノイマン・アーキテクチャに基づく現代計算技術(例えば高性能計算)がフューチャーコンピューティングの主体になり、異なる応用の需要に向けたシステム最適化が技術イノベーションの重点方向になる。部品及びチップ、システム技術、応用技術などが同時に発展する。長期的にはシリコン系集積回路の物理的限界とノイマン・アーキテクチャに固有のボトルネックにより、量子計算やニューラルコンピューティング(脳型コンピューティングとも呼ばれる)などの非ノイマン・アーキテクチャ計算技術のブレイクスルーと産業化が、フューチャーコンピューティングの研究の重点になる。

脳・意識・AIの学際分野について。同報告書の見方によると、ビッグデータ、ディープラーニング、計算力を基礎とするAIは、音声認識や顔認証などのモデル認証を特徴とする技術応用において現在、比較的成熟している。しかし専門家の知識や論理的な推理、またはドメイン適応が必要な複雑な任務におけるAIシステムの能力ははるかに不足している。同時に統計に基づくディープラーニングは関連性を重視し、因果の分析が不足するため、AIシステムの解釈可能性が低く、動的ものや不確実性を処理する能力が低く、人と自然に交流するのが困難で、一部の敏感な応用において安全や倫理のリスクをもたらしやすい。将来的に脳型知能、認知知能、混合・増強知能が重要な発展方向になる。

The content of this article is intended to provide a general guide to the subject matter. Specialist advice should be sought about your specific circumstances.