世界的なCOVID-19のパンデミックの影響で、従業員に自宅からリモートワークをする方が増え続けており、雇用主はこのいわゆる「ニューノーマル」に対応するため、業務や従業員関係の調整のために苦労しておられることと存じます。以前に米国国土安全保障省(DHS)によるフォームI-9の規則緩和( relaxation)についてのクライアントアラートをお送り致しましたが、それに引き続き、今回は今年のフォームI-9関係のコンプライアンス上の動向についてまとめたいと思います。

以下、雇用主が注目すべきフォームI-9に関する昨今のルールの動向をご紹介します。

  • 3月中旬、COVID-19の拡大を考慮して、新規に雇う従業員から雇用主が対面でI-9文書の提出を求めて確認しなければならないルールに一時的な猶予期間が設けられました。この時点では、期間が一時的に猶予された以外はルールに変更はありません。詳細はこちら( here)で確認できます。このルールは、数回延長され、現在も有効です(現在のところ、有効期限は11月19日までです。)本ルールについては「遠隔地で営業する」事業であるという定義が非常に限定的であることに注意が必要です。
  • 同じく3月、米国市民権移民局(USCIS)は、I-9の遵守管理のためのE-Verifyシステムの運用をほぼ変更せずに継続すると確認し、雇用者がシステム内で幾つかのアクションを実行するための期限が延長( deadlines)されました。人事担当者の相当数が既にリモートで仕事をしていることや、E-Verifyがオンラインシステムであること、新規雇用時にI-9を実施しなければならないことは変わりないことを考えれば、雇用者にとって大きなインパクトはないように思われる変更でした。
  • それ以降現在まで、米国国土安全保障省(DHS)は、上記の雇用主がI-9のために新規に雇った従業員と直接会ってI-9書類の提出・確認を行うための猶予期間を渋々延長してきました。また、I-9のコンプライアンスに関して雇用主を悩ませている幾つかの課題に対して、具体的なガイダンスを公表しました。具体的には、新規従業員の身分証明書の有効期限が切れているにもかかわらず州の当局が閉鎖されているために更新/再発行ができない場合にどうすべきか( shuttered)、雇用主が緩和ルールに依拠する場合にどのようにI-9 にその旨を注記すべきか、といった実践的な例( https://www.uscis.gov/i-9-central/form-i-9-examples-related-to-temporary-covid-19-policies )が含まれます。

最近では、10月、USCISはE-Verifyシステムから発生する「暫定的な不遵守」( TNCs)をどのように扱うべきか、雇用主に注意を促す情報を発表しました。TNCとは、USCISの記録と雇用主がI-9フォームからE-Verifyに入力した情報との間にデータの不一致があった場合に発生します。 TNCには、名前のタイプミスのような単なるミスもあれば、従業員の米国での就労許可に重大な問題があることを示すものもあります。 TNCの状況を正しく処理することは、誤って合法的に米国で就労可能な米国人労働者を雇用できないとしたり、不注意に就労資格のない外国人を雇ってしまったりすることを避けるために必要ですので、慎重な対応が必要です。

ディキンソン・ライトは、企業やその人事担当者が米国移民法を厳格に遵守するためのお手伝いをすることをお約束します。上記のI-9の動向について、あるいは外国人労働者の雇用に関するその他のご質問がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

English version here.

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