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中国乳業大手の伊利集団と蒙牛乳業の間で争われたパッケージデザインをめぐる不正競争訴訟で、江蘇省高級人民法院(高裁)はこのほど終審判決を言い渡し、一審判決を支持した。裁判所は、蒙牛が伊利の主力製品「金典」牛乳のパッケージに酷似したデザインを使用した行為を不正競争に当たると認定し、侵害行為の即時停止と500万元(1元は約21.6円)の賠償を命じた。
伊利と蒙牛はいずれも中国を代表する乳業大手であり、今回の訴訟は業界内外の注目を集めていた。伊利は2006年に「金典」純牛乳を発売し、2020年にパッケージを刷新して以降も継続使用している。2023年末までに同製品の累計販売額は数百億元に達し、中国の液体乳市場で約10%のシェアを占めている。
一方、蒙牛は2023年12月に「精選牧場」純牛乳を発売。緑色を基調とした矩形パッケージに牧場や乳牛のイラストを配したデザインを採用し、その外観が「金典」に類似していると指摘されていた。
伊利は2024年、南京市中級人民法院に提訴し、「蒙牛の新製品は『金典』と極めて似ており、消費者の混同を招く」と主張。これに対し蒙牛側は、「デザイン要素は業界で一般的に用いられるものであり、自社独自のデザインを踏襲した」として侵害を否定した。
一審の南京中級法院は、伊利の「金典」パッケージが長年の販売と宣伝によって高い知名度を得ており、「影響力を有する商品包装」に該当すると判断。そのうえで、蒙牛製品の全体的な視覚印象が「金典」と高度に類似しており、消費者に誤認を与えるおそれがあると認定した。これにより、蒙牛に対して侵害行為の停止と500万元の賠償を命じた。
両社はともに判決を不服として控訴したが、江蘇省高院は審理の結果、原判決を支持し上訴を棄却した。これにより、約1年にわたって続いた中国乳業界の「パッケージ模倣訴訟」は最終的な決着を迎えた。
出所:中国知識産権資訊網
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