中国特許法第30条の規定によると、外国の優先権を主張して中国で特許出願する場合、所定の期間内に最初に提出した特許出願書類の副本を提出しなければならない。

 上記の規定によると、従来のやり方は、所定の期間内に最初に提出した特許出願の受理部門によって作成された先行出願書類の副本を紙面で提出することであるが、かなり時間と手間がかかり、出願人にとって、利便性が低い。電子出願の場合でも、最初に提出した特許出願の受理部門によって作成された先行出願書類の副本のスキャンされたものを提出しなけれならない。

 出願人の出願時の優先権書類の副本に関する手続きの負担を軽減し、特許出願審査の効率を向上させるために、中国知識産権局は、2012年から、優先権書類の電子的交換サービスを実施し始めた。

 上記の優先権書類の電子的交換サービスとは、中国知識産権局と協議を締結した各特許庁から、電子的方式で先行出願の出願書類の副本を中国知識産権局に送信することである。

 優先権書類の電子的交換サービスは二つのルートがあり、即ち、優先権書類のデジタルアクセスサービス(DAS)と二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスである。

 優先権書類のデジタルアクセスサービスは世界知的所有権機構「WIPO」により設立され、デジタルアクセスサービスにより電子的に交換するサービスである。

 今、デジタルアクセスサービスを提供できるのは、中国、オーストラリア、ブラジル、デンマーク、エストニア、スペイン、フィンランド、イギリス、国際オフィス、日本、韓国、モロッコ、ニュージーランド、スウェーデン、ノルウェー、カナダ、アルゼンチン、欧州特許庁、イスラエル、ジョージア、ユーラシア特許機構、チリ、 オランダ、インド、米国がある。

 二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスは、中国知識産権局とその他の特許機構が締結した優先権書類の電子的交換協議であり、主に特許及び実用新案に適用されるものである。PCT出願に係わる優先権書類は対象外である。

 今、中国と欧州、中国と韓国との間で二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスが適用されている。中国と韓国との間の二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスの場合、特許と実用新案以外に、意匠も適用できる。

 優先権書類のデジタルアクセスサービス(DAS)と二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスは、ともに以下のような特徴がある。

(1)中国で提出された出願は電子出願である。

(2)出願人が自発的に利用を選択する。

(3)庁費用なし。

 また、優先権書類のデジタルアクセスサービス(DAS)を請求する際に、請求人は、「優先権書類のデジタルアクセスサービス(DAS)請求書」を提出しなければならない。そして、請求書に元の受理機構、先行出願の出願日、出願番号、アクセスコードを記入すべきである。二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスを利用する場合、中国で出願を提出するときに、特許または実用新案の出願願書に先行出願の出願日、出願番号を記入すると、中国知識産権局が電子的交換サービスを提供し、請求人が別途声明する必要はない。

 手続上、二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスはデジタルアクセスサービス(DAS)より簡単である。

 ただし、デジタルアクセスサービス(DAS)の場合、複数回で電子データを取得できるが、二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスは特許または実用新案の出願願書に記入された先行出願について一回だけ利用できる。また、願書に記入した先行出願に係わる情報に誤りまたは漏れがある場合、二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスを利用できなくなる。上記情報を修正または補足したい場合、出願人は元の受理機構が発行する先行出願書類の副本を提出するとともに、回復手続きを行い、優先権回復費用を納付する必要がある。

 したがって、二国間優先権書類のデジタルアクセスサービスを利用する場合、特許または実用新案の出願願書に先行出願に関する情報を正確に記入すべきである。

 

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