パテントエージェント・依頼者間における秘匿特権の適用の有無については、長きに渡り曖昧な状況が続いていましたが、2016年3月7日、連邦巡回裁判所は、In Re: Queen's University At Kingston, PARTEQ Research And Development Innovations, 2015-145 (Fed. Cir. March 7, 2016) において、これを是認する判断を示しました。連邦巡回裁判所の多数意見は、パテントエージェント特有の役割、議会がパテントエージェントに付与した権能、米国最高裁判所がパテントエージェントの活動を法律実務と認めている事実、及び特許訴訟代理人の現実に照らして、パテントエージェントに新たな秘匿特権を付与する理由があるとしています。ただし、その秘匿特権の適用範囲については、多数意見が、米国特許商標庁においてパテントエージェントに許された業務に合理的に必要であるか、又はこれに関連する文書及び通信に限られ、審査の対象でない特許の有効性、特許の売買や侵害に関する意見は含まれないと指摘している点に留意する必要があります。

米国で特許訴訟の当事者となる可能性のある日本企業にとって、米国パテントエージェントとの間の秘匿特権が認められた点及びその範囲については、今後の米国特許訴訟の実務に影響があると思われますので、紹介します。

詳細は、Jones Day Alert " Federal Circuit Creates Patent Agent Privilege " (オリジナル(英語)版)をご参照ください。

The content of this article is intended to provide a general guide to the subject matter. Specialist advice should be sought about your specific circumstances.